同調ではなく共調する

他の人が自分と同じ所があると安心する
そう思う事はありませんか
自分と趣味が同じである、出身地や出身校が同じである、同じものが好きであるなど、他の人と同じ所があると親近感がわく事はあると思います
自分と同じ所がある事で親近感がわく事は何も問題はないと思いますが、それが安心感になっていくと少し問題があるように思います
同じ事で盛り上がるのは良いですが、同じ事で安心感を抱いてしまうと、同じでない事に不安を感じてしまう事があるからです
自分とすべてが同じ人はいない、誰もがそう思っているのに、他の人が自分と同じ事で安心感を抱いてしまうと、同じでない事を不安に感じていきます
そうなると、他の人と違う事があっても同じように振る舞う、或いは同じである事を相手に強要してしまう事もあるように思います
人は誰でも同じではない所があると思いながらも、同じでいる事の安心感に溺れてしまうと、同じという同調の呪縛に陥るように思います

同調の呪縛に陥ってしまうと、同じでない事に恐怖を感じてしまい、どんな事であっても「そうだね」と同調していくようになっていきます
自分では「それは違うかも」と思う事であっても、誰かに「こうだよね」と断定されてしまうと、否定する事ができなくなっていきます
自分も同じだと思う事が同調であって、自分が違うと思う事を同じと思っていく事は同調ではありません
それは、他の人にただ合わせているだけの合調でしかないと思います
同調ではなく合調している人間関係が、良い関係であるとは思えません
同じではない思いがあるのに、そうは言えずに同調する、或いは無理に同調させていては、信頼できる人間関係は築けていけないように思います
同じでない事を同じと言って同調ではなく合調してしまうのは、相手を傷つけたくないというよりは、自分が傷つきたくないという思いの表れだと思います
確かに、同調していれば傷つく怖さから逃げられるかもしれませんが、逆に自分の心はその行動によって、知らず知らずのうちに傷ついていきます

合調にならないように、同調ではなく共調するようにしていきましょう
同じ事ばかりに目を向けてしまうから、同じでなければいけないと思ってしまい、同調がただ合わせるだけの合調になってしまうのです
同じ事は同じだと親近感を持ちながら、同じでない事は同じでないと認識していく、同調する事もあればしない事もある、そんな共調をしていきましょう
共調は、同じ事は同じと認識し、同じでない事は同じでないと認識する事です
自分の思いと相手の思いを同じように認識していくのが共調です
他の人と共調していこうと思えば、例え自分と同じでない所があったとしても不安に思う事はないと思います
逆に、自分と同じではないことがある事で、お互いを高め合える事もあります
そんな経験は誰もがした事があるはずなのに、同じ事にある安心感に酔ってしまい、同調の呪縛に陥っていては、何も得られるものはないように思います
同じでないと不安だと思ってしまう事があるならば、同調するのではなく共調するようにしていきましょう

今のあなたに、違うと思う事でも「そうだね」と同調している事はありませんか
その場の空気を見て同調しているだけならいいかもしれませんが、同調しないと不安だと思う気持ちがあるなら注意が必要だと思います
初めは空気を読んで同調していたのに、気が付いたら同調の呪縛に陥って、同調が合調になっているかもしれません
同調の呪縛による合調をしていても、信頼できる人間関係は構築できません
すべての人と信頼ある人間関係を築く必要はないかもしれませんが、同調の呪縛による合調になっていたら、誰とも信頼ある人間関係は構築できないと思います
無理に相手に同じではないと伝える必要はありませんが、同じでない事を自分の心の中まで同じにして同調の呪縛による合調していくのはやめましょう
もし、同じでない事を不安に思ったら、同じではない事は同じだと思って合調するのではなく、同じでなくてもいい共調できるようにしていきましょう