本の感想③『EQ2.0』

EQ2.0』という本を読んでみました

この本では「EQとは自分と他者の心の動きに気づき理解する力で、それを使って自分の行動や人間関係を上手にマネジメントする力でもある」と書いてあります
EQはEmotional Quotientの略で、情動指数や感情指数と訳されています
頭の知能指数のIQとは違い、情動や感情などの人の心に関する指数になるので、心の知能指数とも呼ばれているようです
この本では、仕事で高い成果を上げている人の90%がEQが高い人であったという調査結果があると記されています
確かに、どんなに頭脳明晰で知識がある人でも、すぐに感情的になってしまう人では、仕事ができる人とはいえないかもしれません
そういった意味では、仕事で高い成果を上げていくには、EQを高めていく事が必要であるような気がします
対人関係を円滑に行っていくには、自分の感情をどのように表現していくか、自分の感情に囚われる事なく、相手の感情を逆なでしない事が必要だと思います

EQを高めるには、個人的なスキルである自己認識と自己管理、社会的なスキルである社会的認識と人間関係認識の4つのスキルを理解する必要があるようです
自己認識スキルは、自分の心の動きを把握して自分の傾向を理解する力
自己管理スキルは、状況や人に対する感情的な反応をコントロールする力
社会的認識スキルは、他者の感情を読み取り心の中で起きている事を理解する力
人間関係スキルは、自分と他人の感情を理解し人との関わりをマネジメントする力
この4つのスキルを鍛錬する事でEQは高まっていくようです
持って生まれたものであるIQとは違い、EQは後発的に高めていく事ができます
この本には、この4つのスキルを高めていく為の方法が記載されています
また、EQを測定できるHPへのアクセスキーが明記されていて、本を読む前と読んでスキルを高める方法を試した後の2回、EQの値が測定できます
今の自分のEQはどれぐらいなのか、実際に本に書いてある方法でEQがどのくらい高まるのかを、試してみるのも面白いかもしれません
仮に今はEQが低くても、自分の努力次第で高める事はできると思います

EQを高めていく事は今の社会においては必要なことなのかもしれません
自分の心の思いは、自分でわかっているようでわかっていないものだと思います
思わず感情的になってしまい、問題がこじれてしまう事もあるように思います
今の私たちの生活における問題の多くは対人関係にあるように思います
仕事や学校、家族や交友関係など、人が社会で生活しているのであれば、日々の生活の中で対人関係は避ける事ができないと思います
相手の気持ちがわかればいいのに、そう思う事もありますが、自分がわかる事ができるのは自分の気持ちだけだと思います
そうであるなら、感情指数であるEQを高めて自分の事を理解した上で、他の人に対応できるようにした方がいいように思います
自分で自分の思いを理解する事ができれば、他の人の思いがわからないまでも、ある程度は読み取れるようになると思います
全てが読み取れるようになるとは思いませんが、自分の思いを理解しようとしている人は、他の人の思いも理解しようとする事ができると思うからです

対人関係があまり上手くいっていない人にはお勧めの本だと思います
私たちは他の人の事をコントロールする事はできません
コントロールできない事をコントロールしようと思うから、余計に感情的な行動をしてしまうように思います
何かをコントロールしようと思う前に、先ずは自分の心と向き合って、自分にある思いに気づく事が必要だと思います
何かをコントロールしようと思ってしまう人には、ぜひ読んで欲しいと思います
感情的になってしまう人の心には余裕がないように思います
EQを高める事で心に余裕を持つ事ができるようになると思います
「こうだ」と決めつけるのではなく、「こうかも」と自分と違う意見もあるかもというファジーな思考を持つ事で、心に余裕を持つ事ができると思います