ドラッカーの教え《意見の不一致》

ドラッカーは『意見の一致ではなく、不一致を見出さなければならない』(プロフェッショナルの条件)と教えています

結果が出た後に違う意見を言う、後出しジャンケンは良くないとは思いますが、決定する前の段階では違う意見があった方が良いと思います
提案の段階ではただ同意するだけで自分の意見を言わないのに、上手くいかない結果が出た後に、自分は違う意見だったという人を良く見かけます
それは、後出しジャンケンをした方が良いと思う状況があるからだと思います
そんな状況があるのは、何かを決める時に違う意見を言わない方が良い、そんな環境になっている企業が多い事を表していると思います
もちろん、不適切な違う意見が採用される事はありませんが、自分の意見が適切なのか不適切なのかは、発言しなければわからないと思います
どんな意見を言っても、もう結論は出ている、或いは、結果ありきの意見を求められる環境では、適切な違う意見は出てこないように思います
意見を言っても聞いてもらえない、そんな雰囲気が不一致の意見があっても言わない環境をつくっているように思います

企業において最適の選択ができるのは、自分たちの周りにある多くの選択肢に目を向ける事ができている時だと思います
結果ありきで物事を決めていては、これまでの自分たちにある選択肢ばかり見て、これからの自分たちに必要な選択肢を見る事ができないように思います
これまでの自分たちが見てきた選択肢だけで、これからの自分たちが同じような成果をあげていく事ができるとは思いません
何かを考える時に、初めから皆の意見が一致している状況は、これからの自分たちに必要な選択肢が見えていない状況を表していると思います
どんな馬鹿げた意見であっても、どんなに未熟な意見であっても、その意見を言った人を排除していては、新しいアイデアは生まれないように思います
それぞれにある違う意見が出る事で、これまで見えていなかった選択肢が見えてくる事もあるように思います
そこに必要なのは、どんな意見でも言える環境であり、その中から適切な意見の不一致を見出す事だと思います

自由に意見が言えない環境では、全員一致の意見が増えるように思います
全員一致で良いと思う意見は、もうすでに必要のない意見だといえます
誰もがそうだと思う事であれば、それはどの企業でも行っている事だと思います
まだ、気づいている人が少ない事に事業としてのチャンスがあります
意見の不一致があればあるほど、その事業には多くのチャンスがあるといえます
特に新しい事を考えている時に、全員が同じ意見しかない時は注意が必要です
そんな時は、無理やりにでも違う意見を探す必要があると思います
同じ意見しかないという事は、これまでの自分たちが行ってきた視点しかなく、これからの自分たちに必要な視点が欠けているといえます
違う意見がなく、満場一致で決まった事を行っていては未来はないと思います
トップダウンで成果が上がるのは、トップとは違う意見をトップ聞いている時だと思いますが、誰も異論を言わないトップダウンでは成果は上がらないと思います
それは企業としての事業ではなく、ただの個人としての事業だといえます
トップの言う事に何でも「はい」としか言わない企業に明日はないように思います

あなたの会社では、自分の意見を自由に言える環境がありますか
意見を言ってもどうせ採用されない、そう思う事があるなら、まずは意見を言って、その意見を会社が聞く耳を持っているかどうかを知りましょう
上司がではなく、会社が聞く耳があるかどうかです
意見を言ったからといって採用されるかどうかはわかりませんが、大事なのは、どんな意見でも聞いてくれる環境があるかどうかだと思います
「何でも言って欲しい」と良く聞きますが、何でも言える環境は、どんな事でも聞く環境が無ければ意味をなさないと思います
先ずは、どんな人の意見も聞くような環境が企業には必要だと思います