アドラー心理学《人生の課題》

アドラーは「人には三つの人生の課題がある」と言っています

三つの人生の課題とは、仕事の課題、交友の課題、愛の課題になります
これら三つの課題は、仕事、交友、愛の順に難易度が高くなっていくそうです
三つの人生の課題は人によって違うもので、自分がどんな人生を歩んでいきたいと思うかによって変わってくると思います
人生の課題は誰にでもありますが、自分にある人生の課題を解決できるのは自分だけで、他の人が解決してくれる事はありません
それなのに、自分が人生の課題を解決できない事があると、自分のせいではなく、他のせいだと思ってしまう事があります
あれがなかったら、こうなっていれば、と「たら、れば」を言って、自分が解決できなかった、いえ、解決しようとしていない事を隠そうとします
どんなに困難な人生の課題でも、自分の課題は自分が解決していくものだと思っていれば、その課題を解決する方法は見えてきます
しかし、そう思う事がなければ、解決する方法が見えない事もあります

私たちはどうしても、自分に困難な事があると他のせいにしたくなります
自分でも他のせいにしていてもどうにもならない事がわかっていても、自分ではなく他のせいだと思ってしまう時があるように思います
他の影響が大きく、自分のせいではないと思いたい事もあるかもしれません
だからといって、自分の人生の課題を解決できない事を他のせいにしていても、そこにある問題が解決していく事はありません
「たら、れば」と思う事もあるかもしれませんが、人生の課題は自分にしか解決できない事を思い出せば、「たら、れば」を思う事もなくなります
それなのに、自分のせいではないと人生の課題から目を背けていては、その課題が解決していく事はなく、どんどん課題が山積みになっていきます
そうなってしまうと、これまでは自分で解決できていた課題も解決する事ができなくなり、何か問題がある度に他のせいにしていくようになります
自分の問題を他のせいにすればするほど、自分の人生の課題は解決できなくなり、そんな自分の行動が自分の人生を困難にしていきます

人生の課題は社会における人間関係の課題だともいえます
人が社会で生きていく上では、他の人との関わりは必要不可欠になります
アドラーは、人の悩みのほとんどは対人関係の悩みである、と言っています
三つの人生の課題は、自分と他の人との間にある課題だといえます
それが故に、自分が解決しなくてはいけない課題であっても、自分ではなく他の人のせいだと思ってしまう事があるように思います
自分しか関わっていない事であれば、他の人のせいにするのは無理があります
中には、自分しか関わっていない事でも、他のせいにしようとする人もいますが、それは稀で多くの人はそうはしないと思います
しかし、他の人が関わっている事であれば、それは違ってくると思います
自分の人生の課題に他の人が関わっている事が、他のせいで解決できないと思ってしまう要因になっていると思います
そう思いたい気持ちもわからなくはありませんが、残念ながら、その課題が自分の人生の課題であるなら、解決しないのは自分のせいになります

他の人が、自分の課題が解決しない事を他のせいにしていたら、「それは違うでしょう」と誰もが指摘していくと思います
それなのに自分の事になると、課題を解決できないのは他のせいの事もある、そう思っていくのは、少し都合が良すぎるように思います
そのまま他のせいにしていると、自分の課題を他の人の課題だと思っていきます
自分の人生の課題なのに、周りには自分ではなく他の人の課題のようにアピールして、自分の人生の課題を回避しようとしていきます
人生の課題には必ず他の人が関わっているので、周りの人には誰の課題かがわかりずらい事もあるとは思いますが、自分の課題であれば自分はわかっています
自分でもわかっている自分の課題を、他の人の課題だと思うのはいけません
周りにそう思わす事ができたとしても、その課題は自分の課題のままです
そのままでは、自分の課題が解決されないだけでなく、自分の課題を解決していく為に力になってくれる人たちの信頼を失っていく事にもなります
どんなに辛くても、どんなに困難でも、自分の人生の課題は自分が解決する、そう思っていければ、誰もが人生の課題を解決する事ができると思います