本の感想①『心』

稲盛さんの著書『』を読みました

稲盛さんの経験に基づいた心のあり方について書いてある本です
』の中で繰り返し出てくるのが、利他の心、感謝、謙虚、正直などの言葉です
どれも特別な言葉ではないかもしれませんが、なぜかこの本の読んでいると自分の心の中にズシっと重く響くものがありました
これまで読んできた本の中で、ここまで心の奥深くまで響いてくる本は初めての経験でした
そこには、稲盛さんが本に書いてある人生を歩んで来られたからだと思います
正直、稲盛さんの本を読んだのは『』が初めてでしたが、こんなに言葉の重みがある人が関わったのであれば、JALの再生が予定より早くなったのも頷けました
』の中に書いてある事で私が一番重要だと思ったのは考え方です
どんな行動も、考え方次第で良くも悪くもなってしまう
自分の行動が良くも悪くもなるのも、最後は考え方によって決まる
そこが一番のポイントのように思います

稲盛さんは人生の方程式として「能力×熱意×考え方」をあげています
能力と熱意は0が最小値ですが、考え方は0より下のマイナスがあるとしています
確かに、能力が0であれば熱意があっても何かが生れる事はありません
逆に、熱意が0であれば能力があっても何かをしようと思う事がありません
考え方も同じように0であれば何も起こりませんが、考え方がマイナスになってしまうと、すべての結果はマイナスになっていくように思います
多くの事は、能力と熱意がある事であれば、どんな事でもプラスの考え方からスタートするとは思います
しかし、最初は考え方がプラスだった人も、地位やお金を手にした途端に傲慢で利己的であるマイナスな考え方になって、不正に手を染めていく事もあると思います
また、罪を犯していく人の中にも、能力や熱意があるのに考え方がマイナスになってしまい、せっかくある能力や熱意が犯罪の温床になっている事もあると思います
」の他に稲盛さんの著書に『考え方』という本があります
稲盛さんは『考え方』という著書の中でマイナスな考え方として、後ろ向き、不真面目、嘘つき、傲慢、怠け者、利己的、嫉妬するなどを上げています

なぜ人は、マイナスの考え方になってしまう事があるのか
そこには、前向き、真面目、正直、謙虚、努力家、利他的、思いやりというプラスの考え方の捉え方の違いがあるように思います
他の評価が自分の評価が決まると思っていると、自分ではプラスの考え方だと思っている事が、マイナスな考え方になっている事があるように思います
やればできると言って、何かをする事を避けている行動は前向きとはいえません
自分のルールだけを守る事が真面目だとはいえませんし、思った事を口にする事が正直だとは思いません
なんでもYESという事は謙虚ではありませんし、できる事しか一生懸命しない人が努力家だとは思いません
単なる押付けは利他的ではありませんし、お節介は思いやりだとは思いません
これらにあるのは、利他の心ではなく、利己の心のように思います
相手の為を思ってと言いながら、自分が思いたいだけの相手の為は相手の為ではなく、自分の為である利己的な思いでしかないように思います

』には「人生とは実にシンプルなもの、利他の心をベースに日々の生活の中でできうる限りの努力を重ねる、それはまずは身近な人に行う」と書いてあります
周りに対して今の自分にできる事を精一杯行っていき、まだできていない事は周りから学んで、できるように努力していこうと思う事が、利他の心のように思います
自分のできる事で、周りの人たちを喜ばす事ができる事は何か、そう考えていく事が、利他の心に繋がっていくと思います